「岩波」「中公」「講談社」からスタートした縦長の本「新書」。
200〜400頁で、値段も手頃なため出版不況が深刻化してきた2000年頃から、各社から出版され「新書戦争」と呼ばれるほど刊行点数が増え、現在では品切れ・絶版をふくめ1万点以上が市場に出ていると思われます。
平均300頁として300万頁の「知の宝庫」です。
【買いたい新書】では、新書・文庫を中心に「必読良書」を紹介して行きます。
フィクション
小説(評伝)[日本]
小説(物語)[時代]
小説(物語)[外国/英国/古典]
小説[日本/現代]
小説/日本文学/ノベライゼーション/長﨑原爆
小説/医療/尊厳死/日本/現代
小説/ビジネス伝記/石油資源/日本
小説/メディア/新聞販売/現代
小説/日本/現代/格差社会/貧困
小説/日本/農業/地域社会/現代
小説/日本/戦記/食人
小説/日本/近未来予測/国家制度改革
小説 /日本/未来予測
小説/性風俗/社会/現代
小説[日本/古典]
小説/日本文学/古典
小説[フランス/古典]
小説/英国/現代
小説/寓話/現代アメリカ
英国/小説/現代
英国/臓器移植/クローン人間/ドナー
小説/朝鮮史/日韓併合/創氏改名
文学/古典/童話/英国
小説[冒険/フランス/古典]
小説/児童小説/英国/古典
小説/田中角栄
時代小説/敵討ち/古典
時代小説/幕末・明治/広島県
文学/日本/小説/古典
文学/日本/小説/現代
文学/日本/小説/近現代
文学/小説/日本/明治もの
小説/現代日本/芥川賞
文学/社会風刺/英国/18世紀
小説/ノベライズ/日本/現代
日本文学/心理小説/真相/古典
日本文学/古典/滑稽本/牛肉食/明治初期
日本文学/小説/森鷗外/戦後
日本文学/戯曲/ひろしま被爆/亡霊との対話/戦後広島
小説/世界文学/ドイツ/古典
世界文学/小説/敗戦後日本
世界文学/小説/フランス/古典
世界文学/古典/アメリカ/赤児取り違え
小説/世界文学/受験競争/自殺
世界文学/古典/寓話/ギリシア
世界文学/米国/小説/古典
世界文学/ロシア/小説/古典
医療ミステリー[現代]
ミステリー/医学・医療・薬業/家族という病
医療小説[日本/古典]
死生学/葬制/自己死亡通知/未来予測
20世紀史/高齢化/歴史/現代
SF小説[古典]
SF[英国/古典]
SF小説[外国]
SF/ディストピア/独裁国家/現代
SF/生物学[外国/古典]
SF[チベット/1930年代]
SF/歴史/世界/フランス/古典
政治・経済/日本/小説/現代
経済株式小説(物語)[古典]
社会派ミステリー/広島原爆投下/元暴走族/現在
推理[日本/戦後]
青春小説[アメリカ/古典]
児童小説[日本/現代]
ミステリー/日本/現代
ファンタジー[米国/古典]
パロディ[日本/近未来]
パロディ/短編小説/日本/現代
動物小説[外国/アメリカ]
物語/神話[ギリシア/古典]
戯曲[日本/古典]
戯曲/時代劇/人情物/日本/古典
戯曲[古典/フランス]
童話[日本/近代]
童話/日本文学/古典
民俗学/昔話/民話/戦前/日本
寓話/戦後日本/平和主義/憲法
寓話/心理学/超常現象/解説/現代
民話/朝鮮/古代
詩集[日本/近代]
歌集/日本/近代
日本[伝記小説/大正期]
日本/経済小説/昭和前期
哲学/思想/人生論
小説/巨大火山/破局噴火
アメリカ文学/青春小説/古典
ノンフィクション
評伝[日本人/現代]
評伝[日本/現代]
評伝[日本/近代]
評伝[日本/古典]
評伝/ノーベル賞/医学生理学/日本/現代
伝記[米国/現代]
伝記集/英国/古典
評論/日本[明治/古典]
論評/戦争論/古典
書籍出版/出版不況/日本/現代
ITとメディア[現代]
ITとメディア/電子ブック/米国/現代
ITとメディア(整理学)[日本/現代]
社会・IT[日本/現代]
事件/真相/科学捏造/STAP細胞
メディア[米国/現代]
メディア/現代世界/韓国/報道
メディア論/週刊誌/現代日本
通信・メディア[日本/現代]
マスメディア/ネット/偽情報/現在
国際社会と戦争[現代]
国際政治/中国/現代
国際関係/日韓/現代
北朝鮮/朝鮮問題/独裁体制/核危機
国際政治経済/グローバリズム/危険性/現代
各国の歴史[日本/現代]
歴史[日本/現代]
歴史[現代/見方]
歴史/日本史/対論/学説の盛衰/現代
歴史/日本/幕末/資料集
歴史/日本/明治/人物研究
歴史/日本/太平洋戦争/開戦原因/近現代
歴史/日本史/大正天皇/実録/現代
歴史/日本文化/江戸期
歴史/日本国憲法/成立過程/現代
歴史/中国・韓国/儒教/日本・日本人論
歴史/韓国/社会文化/反日の起源
歴史/日韓関係/朝鮮併合/現代
歴史/朝鮮王家/近現代史/日韓併合
歴史/朝鮮史/事大主義
歴史/中東
歴史/東アジア/朝鮮/歴史物語
歴史/パラオ諸島/日本の南進/現在
歴史/国際関係/日韓問題/慰安婦/現代
歴史/文化/日韓関係/解説/現代
歴史/コーヒー/社会文化史/ロンドン
歴史・経済/資本主義/日本/現代
歴史/戦後ドイツ/大統領演説/現代
日本/日本史/古代/聖徳太子
日本史
日本史/戦国時代/古典
日本史/幕末/人物評伝/現代
日本史/幕末・明治維新/新解釈
日本史/昭和前期/政治・軍事/実録
日本史/太平洋戦争/開戦と敗戦
日本史/通史/現代まで
日本現代史/文学/奨学金制度/自伝
日本史全史/古代・中世・近世・近代・現代
現代史/日本/沖縄基地問題
現代史/韓国/政治
現代史/日韓/慰安婦
平成史/漫画/解説書
各国の歴史[日本/古典]
各国の歴史[日本/古代]
古代史/エジプト文字解読/近世
日本現代史/太平洋戦争/写真と解説
現代史/日韓関係/朝鮮支配/慰安婦問題
現代日本/大学の変遷/文系学部廃止
現代アメリカ/ルポ/トランプ大統領/中産階級崩壊
世界史/現代/グローバリズム
世界史/考古学/メソポタミア文明/文字の起源
朝鮮史/通史/日朝関係史
戦史[日本/現代]
戦争の記録[日本/原爆]
戦後現代史/名言集/評伝
戦後秘話/憲法制定/セミ自伝
現代政治/科学と戦争/科学者の社会責任/日本/現代
各国の歴史[ギリシャ/古典]
歴史/地球史/通史/現代
文明史/世界/インタビュー/現代
経済史/オランダ/バブル経済/現代
地方自治/都市問題/日本/現代
現代社会/メディア論/誤報問題
メディア論/新聞/報道/現在
現代社会/起業家評伝/日本
現代日本論/戦後史/言論の質/現代
社会問題/人口減少/自治体消失/予知解説/現代
社会保障/日本/医療/現代
高齢化社会 /社会保障/対処政策
地域社会史/現代/韓国/現状
国家論[日本/現代]
文明論/生物学/日本/現代
差別問題[現代/日本/在日]
環境問題/公害[日本/明治]
環境破壊[ナウル/現代]
公害/水俣病/日本/戦後
経済学/政治批判/日本/現代
日本経済/複雑系科学/アベノミクス/現代
経済入門/通貨論/信用/仮想通貨
働くことと企業[現代]
働くことと企業[古典]
健康と医療[現代]
健康と医療[日本/現代]
健康と医療/医薬品[日本/現代]
医学[日本/現代]
医学/生理学/味の科学/現代
医学生物学/自家貪食/日本/現代
医学解説/再生医療/日本/現代
医学/再生医学/iPS細胞/解説対談/現代
医学/再生医学/iPS細胞/自伝/現代
医学治療[日本/現代]
医学/統計学・疫学/因果関係/日本/現代
医学・医療[手記/現代]
医学・医療/疾病史/日本
医学・医療/がん/終末期医療/現代
医学/精神医学/発達障害/入門書
医学/ノーベル賞/免疫/がん治療
法医学/監察医/犯罪事件簿/現在
医療/病院
医療/医師論/現代
医療/がん治療/日本/現代
医療/終末期/日本/現代
医療/終末期医療
医療/腎臓病/人工透析/移植/現代
医療/慢性疼痛(こじれた痛み)/解説書
医療/心身症/体験記/現代
現代医療/社会福祉/医療経済
現代医療/がん/ケトン食
薬物学入門書/毒と薬/作用機序/総合文化誌
新薬/開発者たち/解説書
応用薬学/コーヒー/文化誌と薬理
脳科学/解説書/初心者向き
社会保証・医療費/統合医療/食生活/日本/現代
高齢化社会/年金生活/経済破綻/現代日本
精神病/日本/闘病記/現代
精神医学/反社会性人格障害/解説書
放射線医学[日本/現代]
疾病史/医薬品/現代
栄養学/歴史/世界/現代
食事/抗がん食/ケトン食/現代
仕事/生産性/整理法/文書・本/現代
社会学/比較社会学/日本社会論
国語/語彙/語彙力/日本語
日本と日本人[現代]
日本と日本人[古典]
日本[自伝/国語教師]
日本/江戸/人物誌/古典
日本列島/形成論/地域特性/地形学・地理学
日本史/昭和戦前/比較生活誌
日本論/日本/現代
日本論/日本文化/比較文化論
日本語論/日本/現代
日本文学/明治/著名作家
日本文学/随筆/小説/大正・昭和
異文化/韓国=日本/現代
文明論/日本文明史/対中韓外交/対談
学問論/医学・経済学/日本/現代
物理学理論/熱力学/エントロピー/解説/現代
科学技術と戦争[日本/古典]
科学[進化医学/現代]
科学[生物学/現代]
科学/生物学/発生/幹細胞/解説/現代
科学/発生学/動物の再生/解説/現代
科学/心理学/超常現象/解説/現代
科学/IT/集合知/解説/現代
科学随筆[日本/現代]
科学解説/化学[海外/古典]
科学者自伝/分子生物学/解説/現代
自然科学/地球惑星学/生命起源論/解説/現代
生命科学/幸福・ゲノム・病/思想
医学史/エピソード/随筆
未来予測/検証/現代日本
未来学 /人口動態 /社会・経済の変化 /25年後の日本
未来社会論/AI/シンギュラリティ
生物学/脳科学/昆虫/フェロモン
応用生物学/コラゲン/音響学/クモの糸
考古学/遺跡捏造事件/旧石器/ルポ
考古学/弥生時代/日本/新区分
日本/司法制度/裁判所/現状解説/現代
日本/科学/生命/ゲノム/現代
日本/医学/病気/予防・治療/現代
日本/現代史/メディア論/新聞社/政治部
日本/近現代/常民/慰安婦/ドキュメント/現代
在日朝鮮人/歴史/帰化問題
日本論/地方振興/文化資本
原子力[日本/現代]
原発[日本/現代]
原発・電力問題/電力九社体制/戦後史
核問題/原子力/原子炉/日本と世界/解説
地震学[日本/現代]
地理学/日本列島/地震・噴火/西日本
地学/地形学/河川
地震・噴火[日本/現代]
地震・津波[日本/現代]
天候/気象学/日本/現代
地球と宇宙[現代]
地球科学/日本/現代
宇宙・構造論/日本/古典
宇宙[飛行士]
生物・生態/日本/現代
生物学/歴史/米国/古典
植物文化/桜/日本/解説書
進化論/人類史
旅行・探検/日本/古典
探検[南極/現代]
趣味・ホビー[現代]
趣味/カメラ[歴史/現代]
哲学と思想[現代]
哲学・科学思想[古典]
司法医学/死因究明/死体解剖/現代日本
冤罪[日本/現代]
死刑[日本/近代]
死刑制度/存非論/現代日本
現代教養論/解説書
言語と語学[現代]
コミュニケーション[現代/日本]
日本映画[回想録]
新書/人口動態/未来予測/日本
本の進化/文化史/記憶の保持
現代住宅問題/1戸建て・分譲マンション/未来の空室化
現代思想/「戦後」論/敗戦/歴史/日本/現代
現代思想/利他主義/寄付/臓器チャリティ
人生訓・思想[日本/古典]
人生論[日本/現代]
哲学・思想/回顧録/古典
哲学と宗教[古典]
政治と宗教/日本会議/淵源
宗教[日本/現代]
宗教[日本/古典]
宗教/歴史/伝記
宗教/古典解説/日本/現代
宗教/イスラム教/異端派/テロ国家/現代
死生観/医療/終活/対談/日本/現代
死生観/長寿社会/医療/介護/安楽死
死と葬儀[現代/日本]
葬儀・葬制/日本/現状/現代
日本/民俗学/誕生と葬式/歴史
広島県/歴史/考現学
ヒロシマ/評伝/被爆文学/現代
文化/景観論/地方創生/日本/現代
食文化/奇食・美食/世界・日本
美術/社会風刺/日本/江戸期
高等教育[日本/現代]
大学問題/文教政策/大学過剰/日本/近未来
書簡集[米国/現代]
随筆[日本/近代]
随筆/日本経済/経済分析/日本/古典
随筆/人生論/文学・歴史/日本/現代
随筆/人生論/現在
随筆/医学/神経・精神科/脳疾患/現代
随筆/老いと死/現代
随筆/家族論/女性論/日本/現代
随筆/読書/セレンディピティ/乱読
家族論/日本/現代
随筆集/総合/一般/日本/現代
エッセイ/人生論/知的な老い方/日本/現代
手記/敗戦/引き揚げ/満州
ドキュメント/オバマ・広島訪問/演説全文
ルポルタージュ/猟奇的事件
ルポ/旧ソ連/モスクワ生活
テレビ/調査報道/「クローズアップ現代」
マンガ/暗号解読/コンピュータの父/チューリング
対談/科学解説/文理癒合/日本/現代
対談/獄中記/日本/現代
科学随筆/長崎被爆/白血病/日本/古典
解説/がん/がん幹細胞
解説/科学不正/研究倫理/STAP事件
解説/広島原爆投下/米軍捕虜
時事解説/韓国/現代
世界旅行記/青春放浪記
回想録[日本/現代]
回想録/明治/金融・経済
回想録[飛行機/外国/フランス]
自伝・伝記/百円ショップ/日本/現在
自伝/映画批評・読書/日本/現代
自伝/大正・昭和/随筆
自伝/日本史/幕末・明治
日記/日本文学/ローマ字
手記/日本/売春制度/大正時代
人買い/慰安婦/自伝/明治・大正期
随想回顧録/日本/現代
随筆/人生論・幸福論/日本/現代
随筆/死生論/日本
箴言集/日本/現代
証券業界/会社倒産/日本/現代
会計学/日本/現代
小説/戦後史/食肉業界/同和/現代
日本小説/現代/書評集
文学/漫画随筆/日本/現代
文学/ドキュメント/原発事故/チェルノブイリ/現代
伝承文学/英国中世/アーサー王
文芸/詩歌/和歌論/日本/古典
文芸/漫画/日本/歴史/現代
文芸/随筆/現代
雑誌 /要約復刊 /「文藝春秋」 /昭和20年
音楽/世界文学/現代
映画/日本映画史/時代劇
冒険/漂流記/明治時代
日本現代史/日本軍分析
政治学/自由
現代/情報化社会/社会秩序
リファレンス本
事典/日本映画
事典/歴史
事典/日本/現代
事典/名言集/中国/古典
事典/日本史/大名
事典/文化事情/韓国
辞書/日本/用字辞典/現代
辞書/日本語/比較解説/現代
辞典/引用句
国語辞典/日本語類語辞書/横書き
語源辞典/日本語/現代
日本語語彙/携帯辞書/実用書
年鑑/新語新知識/社会/現代
年報/オピニオン/社会/現代
図鑑/医学・医療/解剖・生理
図鑑/人体解剖/顕微鏡図譜/臓器/細胞/微生物/薬物
写真図鑑/外来動植物/日本/現代
植物図鑑/雑草/同定法/日本
書評集/本の未来/日本/現代
書評集/文章術/解説/現代
書評随筆/ミステリー
随筆集/読書歴/日本/1980年代
語録/政治家/日本/現代
格言集/イスラム教/アラブ中東地域/現代
名言/ギリシア・ローマ/古代
本の本[日本/現代]
本の時代史/代表的書籍/日本/明治後半以後
日本語/文章術/現代
文庫本解説/日本・世界/古典・現代
新書解説/日本
解説/ベストセラー/昭和時代
文学/世界/要約
古典案内/ギリシア・ローマ/現代
読書術/理科系 /情報の処理法 /現代日本
家系[日本/近代]
原子力発電/解説・施設リスト/日本/現代
理系名著
健康/食生活/トクホ/解説
ダイエット/食事
法律/憲法/日本/現代
地図/日本/現代
生命科学/世界・日本/伝記/現代
日本史/原典資料/解説
解説/号外/戦後史
出版/現代/日本/現状
ノーベル賞/日本/現代
自然界/視覚/レベル論/現代
科学/日本/現代
科学一般/単位
医学/日本/現代
自然科学/単位と法則/解説/ムック/現代
医療ムック/解説/患者学/現代日本
各種数値/見方/現代
外国/現代
日本/現代
昭和・平成/凶悪犯罪/解説/現在
科学史/人物事典/評伝/現代
地域/日本/広島
税金/節税/ふるさと納税/現代
小説/ミステリー/日本&海外/古典
日本文学/ミステリー小説/明治・大正・昭和
宗教/聖書/文語訳/現代
教典/イスラーム/海外/古典
作家インタビュー集/日本/現代
写真集/作家ポートレート/随筆/戦後日本/現代
懐メロ/歌謡曲・軍歌/昭和前半期/日本
本の本 /戦後ベストセラー概説/現代日本
90年代の初めにインターネットが出現して以来、必用な情報を素早く入手することが可能になりました。携帯とネットが接続して、最近では何処にいても音楽や動画を楽しめるようになりました。1455年のグーテンベルグによる活字印刷の発明以来の「情報革命」が、いま進行中です。が、それらは情報断片です。
他方で、従来型の印刷本も「出版不況」といわれながらも、日本では年間約7万点が出版され、店頭に溢れています。本を読むことについて、古人はこう言っています。「書物を開くと、昔の人と会話できるのが楽しい」(アリストテレス)、「一人燈火の下で書物を広げて、遠い昔の人を友達にすることほど、楽しいことはない」(兼好法師)、「楽しみは、そぞろ読みゆく書(ふみ)の中(うち)に、我とひとしき人をみし時」(橘曙覧〔たちばなのあけみ〕、幕末の福井藩学者)
今の世の中、「専門化」が行き過ぎて、若い人の「教養不足」が問題とされています。派遣労働者問題、失業率の増加問題なども、雇われる側に教養不足があり、つぶしが利かない点に雇う側が二の足を踏んでいるのが一因です。
「教養とは、専門的知識はなくても、話し手の説明の中で、どこが正しくて、どこが間違っているかを、適切に判断出来る能力である」(アリストテレス)。「教養は、順境にあっては飾りであり、逆境にあっては避難所である」(同)。そしてこの高齢化社会、やがて誰でも歳をとり、会社人間から離れます。会社で維持してきた人間関係を失ったとき、孤独が待ち受けています。その時こそ、読書によって得られた教養が、人を支えてくれるのです。「教養は、老齢にとってのもっとも素晴らしい路銀である」(同)
この連載では、私が今まで読んできた本、これから読む本だけでなく、選書法、速読法、本の整理法についても紹介する予定です。
遺体に学ぶ:一病院病理医の人生観・死生観アトラス出版 ,2009/4
森脇 昭介
今から50年ほど前、評者が医学生として病理学教室に出入りしていた頃は、広島県の病院に専任の病理医がいるのは4施設(県立病院、市民病院、日赤病院、呉国立病院)しかなかった。著者は1957年に鳥取大学医学部を卒業後、1966年に国立松山病院の病理医となった。県立愛媛病院の山本寛に続いて愛媛県で2番目の専任病理医である。山本が途中で倉敷中央病院に転じたのに対して、著者は1997年の定年まで同じ病院に留まり、副院長、院長を務めた。病理学の教授から病院長になった人は少なくないが、病理科が「標榜科」として認定される前に病院病理医で院長に就任した人は珍しい。
本書はそうした経歴をもつ著者が、第一部「病院病理の立場から」で、いまや「病理診断科」として少しずつ注目を浴びるようになった、「病院における病理学」の実際を一般の市民に分かりやすく解説している。「医師の資格と専門医制度」では医学部への入学から国家試験と医籍への登録、医学関係の学会と学会認定の専門医制度が解説されており、医師を志す高校生にも読んでもらいたい内容だ。
「病気とは何か」、「病理学とは」でもあまり専門的でなく、平易な解説が行われている。「病理医とは」では、病院における病理医の仕事である細胞診、生検診断、手術材料の病理学的検査、病理解剖がイラストや写真入りで説明されており、分かりやすい。
第二部「私的人生観・死生観」は死、脳死と臓器移植、癌の告知、尊厳死と安楽死、自殺、死刑制度などについて、数多くの読書と著者の体験に基づく15のエッセイからなる。しかもそれぞれのトピックについて著者が参照した膨大な書物のリストが掲げてあり、執筆者の思考と誠実な人柄が表れている。
死についても人間の死だけでなく、細胞の死、植物の死、生物・動物の死まで論じているが、<所詮「かくあるべき」という(死の)定義はないというのが、私の結論です。>と著者はいう。
「医学的死」の項は、自分の同僚の死に至るプロセスが多く取り上げられており、具体性があって、文科系の著者には書けない迫力がある。「脳死と臓器移植」では「法が先にあり、法を守ることを優先する日本人の体質」が問題とされ、これを変えないと「病腎移植」や根津医師の「代理出産」のような新しい試みは常に学会からバッシングされると指摘している。
「癌の告知」では、なぜ癌だけに告知というのか?他の病気のように診断といわないのかと疑問を投げかけている。ここでも妹、弟、妻の癌が例としてあげられ、上から目線でなく患者の立場から告知のあり方が、その是非をふくめて議論されている。患者サイドの医師不信があるため、医師が防衛のため余命告知までするようになったのではないかという。
「終末医療・尊厳死」では、リビング・ウイルの重要性を指摘している。「安楽死」では、これは尊厳死と異なり慈悲殺の一種だと説く。残りのエッセイをすべて紹介するゆとりはないが、「いかに死を迎えるか」は著者の体験がにじみ出した卓見だ。<第一線から引退した時点で、その人は「社会的死」を受け入れなければなりません。」、「結局退職と同時に多くの人は忘れ去られる運命にあります。」至言である。なすべきことを持たない多くの男は、退職後の孤独とストレスにより、発病したり死んだりするのだ。著者は退職を期に過去のしがらみから離れてまったく別の人生を送りたかったので再就職はすべて断ったという。
そうして書いたのが「骨転移の病理」(杏林書院,2007)という大著であり、本書である。
1行1行が味わい深い、病理医という診療の裏方として学んだ体験、院長という病院トップから見た診療から滲み出た含蓄のある言葉を含んでいる好著である。