「岩波」「中公」「講談社」からスタートした縦長の本「新書」。
200〜400頁で、値段も手頃なため出版不況が深刻化してきた2000年頃から、各社から出版され「新書戦争」と呼ばれるほど刊行点数が増え、現在では品切れ・絶版をふくめ1万点以上が市場に出ていると思われます。
平均300頁として300万頁の「知の宝庫」です。
【買いたい新書】では、新書・文庫を中心に「必読良書」を紹介して行きます。
フィクション
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リファレンス本
「買いたい新書」連載にあたって 難波紘二
90年代の初めにインターネットが出現して以来、必用な情報を素早く入手することが可能になりました。携帯とネットが接続して、最近では何処にいても音楽や動画を楽しめるようになりました。1455年のグーテンベルグによる活字印刷の発明以来の「情報革命」が、いま進行中です。が、それらは情報断片です。
他方で、従来型の印刷本も「出版不況」といわれながらも、日本では年間約7万点が出版され、店頭に溢れています。本を読むことについて、古人はこう言っています。「書物を開くと、昔の人と会話できるのが楽しい」(アリストテレス)、「一人燈火の下で書物を広げて、遠い昔の人を友達にすることほど、楽しいことはない」(兼好法師)、「楽しみは、そぞろ読みゆく書(ふみ)の中(うち)に、我とひとしき人をみし時」(橘曙覧〔たちばなのあけみ〕、幕末の福井藩学者)
今の世の中、「専門化」が行き過ぎて、若い人の「教養不足」が問題とされています。派遣労働者問題、失業率の増加問題なども、雇われる側に教養不足があり、つぶしが利かない点に雇う側が二の足を踏んでいるのが一因です。
「教養とは、専門的知識はなくても、話し手の説明の中で、どこが正しくて、どこが間違っているかを、適切に判断出来る能力である」(アリストテレス)。「教養は、順境にあっては飾りであり、逆境にあっては避難所である」(同)。そしてこの高齢化社会、やがて誰でも歳をとり、会社人間から離れます。会社で維持してきた人間関係を失ったとき、孤独が待ち受けています。その時こそ、読書によって得られた教養が、人を支えてくれるのです。「教養は、老齢にとってのもっとも素晴らしい路銀である」(同)
この連載では、私が今まで読んできた本、これから読む本だけでなく、選書法、速読法、本の整理法についても紹介する予定です。
90年代の初めにインターネットが出現して以来、必用な情報を素早く入手することが可能になりました。携帯とネットが接続して、最近では何処にいても音楽や動画を楽しめるようになりました。1455年のグーテンベルグによる活字印刷の発明以来の「情報革命」が、いま進行中です。が、それらは情報断片です。
他方で、従来型の印刷本も「出版不況」といわれながらも、日本では年間約7万点が出版され、店頭に溢れています。本を読むことについて、古人はこう言っています。「書物を開くと、昔の人と会話できるのが楽しい」(アリストテレス)、「一人燈火の下で書物を広げて、遠い昔の人を友達にすることほど、楽しいことはない」(兼好法師)、「楽しみは、そぞろ読みゆく書(ふみ)の中(うち)に、我とひとしき人をみし時」(橘曙覧〔たちばなのあけみ〕、幕末の福井藩学者)
今の世の中、「専門化」が行き過ぎて、若い人の「教養不足」が問題とされています。派遣労働者問題、失業率の増加問題なども、雇われる側に教養不足があり、つぶしが利かない点に雇う側が二の足を踏んでいるのが一因です。
「教養とは、専門的知識はなくても、話し手の説明の中で、どこが正しくて、どこが間違っているかを、適切に判断出来る能力である」(アリストテレス)。「教養は、順境にあっては飾りであり、逆境にあっては避難所である」(同)。そしてこの高齢化社会、やがて誰でも歳をとり、会社人間から離れます。会社で維持してきた人間関係を失ったとき、孤独が待ち受けています。その時こそ、読書によって得られた教養が、人を支えてくれるのです。「教養は、老齢にとってのもっとも素晴らしい路銀である」(同)
この連載では、私が今まで読んできた本、これから読む本だけでなく、選書法、速読法、本の整理法についても紹介する予定です。
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